Pigeonworks

What's AI Native SaaS?

Pigeonworks のサービスは、なんでこんなに安いのか。何をしているから安くできて、何が、ほかと違うのか。

Pigeonworks は、wellness のサービスを作っている

wellness に絞ったバーティカル SaaS である。

wellness とは「しあわせに生きること」。人と犬が同じ場にいること、そこで食べること、暮らす場所そのものも、その中に入る。

それを、AI が作り、AI が動かす作り方(AI Native SaaS)で作っている。だから、この値段で出せる。

どういうことか。SaaS という言葉の意味から、順に説明していく。

そもそも SaaS(サース)とは

Word や Excel には、2 つの買い方がある。パソコンに入れて買い切る Office と、月額や年額で払って使う Microsoft 365 である。

Microsoft 365 のように、ソフトを買い切らず、月いくら、年いくらで借りて使う形を、SaaS(サース)と呼ぶ。多くの SaaS は作った会社の側のコンピューターで動いていて、私たちはインターネット越しに使う。

雲の中に、書類とペン・ペン先・開いた帳簿と電卓・行の並んだ書類と箱の絵が並び、そこから破線が伸びて、画面つきの機械・スマートフォン・ノートパソコンにつながっている絵インターネット
Microsoft 365Illustratorマネーフォワード クラウドkintone

ほかにも、デザインに使う Illustrator は、いまは月額か年額のプランだけで提供されている。会計のマネーフォワード クラウドや、社内の業務を記録する kintone も、月額や年額で払って使う。仕事の道具の多くが、いまはこの形で届いている。

動画の見放題のように、月額で払うサービスはサブスクと呼ばれる。サブスクは料金の払い方を指し、SaaS はソフトをインターネット越しに提供する形を指す。

SaaS には、どの業種でも使えるものと、1 つの業種や分野に絞ったものがある。ここまで挙げた製品は前者で、後者はバーティカル SaaS と呼ばれる。

同じ形の四角が並び、そのうちの 1 つだけを虫眼鏡が囲んでいる絵。囲まれた 1 つだけ色がついている

Pigeonworks が作るのは、wellness に絞ったバーティカル SaaS である。

AI Native SaaS とは

  • 12 時間半が 93 分になったことは、私たちに何をもたらしたのか

    1913 年、Ford は機械を前提に、自動車の工場を作り直した。

    1 台を組み立てる時間は、1 年ほどで 12 時間半から 93 分に縮んだ。

    たくさん作れるようになり、同じ型の車の値段は 825 ドルから、のちに 260 ドルまで下がった。

    工場の組立ライン。ベルトの上を流れるあいだに、車輪と台だけのものが、車体がのり、屋根までついた 1 台になる絵

新しい技術は、いまの作り方に足すだけでは、力を持たなかった。その技術を前提に、作り方ごと組み直したとき、大きく変わってきた。

SaaS も同じで、作る手段が変わった。AI が作り、動かせるようになった。

この新しい作る手段を前提に、作り方を最初から組み直す。それを私たちは、AI Native SaaS と定義する。

組み直すとは、この 4 つがそろうこと

  • 人が レールを引く

    何を作るか、どこまで AI に任せるかは、人が決める。決めたことは機械に組み込み、はみ出したら止まるようにする。

  • AI が 作る

    プログラムは、ほとんど AI が書く。AI は毎回同じ答えを返すとは限らないが、レールからはみ出せば機械が止める。

  • AI が 動かす

    止まったときの対応なども、AI に任せられるように作る。最後の OK は、人が出す。

  • 自分にカスタマイズされた答えを、 AI が返す

    ChatGPT などに聞くと、ふつうは一般的な答えが返る。つないでおけば、たまった自分の記録をもとに答える。

なぜ、安くできるのか

作ることと手入れには人の手が要り、その人月(何人が何か月働くか)が、そのまま料金になっていた。

SaaS の月額に入っている 4 つの費用を、AI Native SaaS では次のように下げる。

  • 作る費用

    プログラムのほとんどを AI が書く。作るのにかかる人月が減る。

  • 動かす費用

    使う人がいない時間にも払い続けるような、毎月決まってかかる費用が増えない作りを、最初に選ぶ。

  • 手入れの費用

    止まっていないかの見張りや、直す作業を、AI と機械が受け持つ。

  • あとから直す費用

    起きてはいけないことを、機械で先に止めておく。画面が動いたらそのまま出す作り方(バイブコーディング)とは違う。

分野に特化した SaaS も、作れるようになった

1 つの分野に絞ると、使う人の数は少なくなる。人月で作ると、その少ない人数で費用を割ることになり、使う人 1 人あたりの値段が高くついた。

作る費用そのものが下がったので、分野を絞っても値段を抑えられる。バーティカル SaaS が作れるのは、このためである。

この作り方をもっとくわしく説明したページが、 si.pigeonworks.net にある。

使うと、何がいいのか

工場の作り方が変わって、車の値段は下がった。AI Native SaaS も、作り方を変えて値段を下げた。それは、次の 3 つをもたらす。

  • 安い

    人月が料金に入らない分、月額が低い。AI とつないで使うときの利用料も、かさみにくい作りにする。

  • 自分にカスタマイズされた答えが返る

    ChatGPT などの AI とつなぐ窓口(MCP)を用意する。どう答えるかは、下の例のとおり。

  • 個人情報を渡さず、安全に使える

    名前やメールは、はじめから AI に渡さない作りにする。AI にできることも、人が決めた範囲だけにする。

たとえば、こう聞ける

ヘッドセットをつけた受け手が、カウンターの奥の壁に開いた窓ごしに、その先にある書類や箱とやりとりしている絵
  • 「いま、やっておくことはある?」

    人

    宿泊予約サービス

    3 件あります。宿泊者名簿がまだ入っていない予約が 1 件、キャンセル規定を決めていない部屋が 1 件、カード払いの手続きが止まっている予約が 1 件です。

    サービス(MCP)

    宿泊者名簿が入っていない予約や、キャンセル規定が無い部屋を、AI が拾って教える。カード払いの手続きが遅れている予約も分かる。

  • 「この 2 週間の食事の傾向は?」

    人

    食事の記録のサービス

    この 2 週間は、麺類が 9 回でいちばん多く、野菜を含む食事は 6 回でした。気分がよいと書いた日は、朝に汁物がある日に多く出ています。

    サービス(MCP)

    記録をもとに、食事の種類や気分の傾向を、AI がまとめる。

Pigeonworks は、「しあわせに生きること」を考え、そのサービスを作っている

Pigeonworks は、wellness を「しあわせに生きること」と定義している。人と犬が同じ場にいること、そこで食べること、暮らす場所そのものも、その中に入る。

だから、サービスは自分たちも使う側として作る。自分たちの暮らしで使って、よいと思えたものだけを出す。自分たちの製品を自分たちで使うことを、dogfooding と呼ぶ。

犬が、床に置かれた餌の器に口をつけて食べている絵。器の中だけ緑に塗られている

wellness というバーティカル SaaS

eatreel.ai も kai も、wellness に絞ったバーティカル SaaS である。そして、どちらも AI Native SaaS として作っている。

eatreel.ai は、食べたものを記録して、食べ方と気分のつながりが見えるようにする。kai は、高くて複雑な予約システムに手を取られず、小さな宿が続けられるようにする。

  • eatreel.ai

    食べたものを記録すると、その記録をもとに AI がアドバイスする。

    料金
    無料で始められる。有料は月 2 ドル(約 320 円)、年 20 ドル。 ドルは、2026 年 8 月の平均の為替(1 ドル 158.74 円)で円にした目安。
    仕組み
    起きた不具合も自分たちが先に踏み、次から機械で確かめるようにした。記録は CSV や JSON で書き出せる。
    eatreel.ai を見る
  • kai

    小さな宿のための予約システム。

    料金
    10 室まで月額 20 ドル(税別)。ご請求は日本円。初期費用と予約手数料は 0 円。
    仕組み
    最低契約期間はない。予約や宿泊者名簿は CSV で書き出せる。お客さまの支払いは、宿の受け取り先に直接入る。
    kai を見る

AI Native SaaS は、Pigeonworks の共通項である。

AI Native SaaS は、人がレールを引き、その上で AI が作り、動かす SaaS である。AI に聞けば、自分にカスタマイズされた答えが返る。

AI を導入しただけではない。作り方と見張り方を、最初から AI に合わせて組み直している。

人月が料金にならない分、Pigeonworks のサービスを、この値段で出せる。起きてはいけないことは機械で確かめるので、安心して使える。

Pigeonworks が作るサービスは、1 つの分野に絞ったバーティカル SaaS である。分野はそれぞれ違うが、この作り方で作る AI Native SaaS であることが共通項である。